のどの痛みの原因・対処法

監修：医療法人社団宏久会泉岡医院院長　泉岡利於先生
一般社団法人大阪府内科医会副会長

のどは、食べ物や水分を飲み込む時の通り道であると同時に、呼吸する時の酸素の通り道でもあり、常に空気中のウイルスや細菌にさらされているため、病原体に感染しやすい部位といえます。また、のどの痛みは日常しばしば起こる症状の一つで、自然治癒することも多いため、安易に考えられがちですが、心配な病気のこともあるので油断は禁物です。

のどの痛みの主な原因

のどの痛みが起こる原因は、風邪やインフルエンザなどのウイルスや細菌によって炎症を起こしている場合か、大きな声の出し過ぎなど、のどを酷使したことによって炎症を起こした場合が考えられます。どちらも炎症ですが、炎症を起こす箇所や炎症の種類が異なります。

のどの痛みの対処法

発熱やくしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、頭痛、関節痛などの症状をともなう場合は風邪によるものと考えられるため、体を冷やさないようにして睡眠をとるようにしましょう。また、体力を消耗するため、バランスのとれた消化のよい食事、十分な睡眠、そして脱水症状にならないよう、十分な水分補給を行ってください。
風邪の場合も、のどを酷使した場合も、以下の対処法が痛みを和らげる助けになります。

のどに負担をかけない
のどが痛いのに無理に声を出すと、刺激になって痛みが増すので、発声は控えましょう。また、タバコやお酒ものどに負担となります。
うがいをする
うがいはのどの粘膜に付いた細菌やウイルスを洗い流す効果が期待でき、またのどの粘膜に潤いを与えます。感冒の予防には、適度な塩素が含まれている水道水でのうがいが一番効果的といわれていますが、すでに痛みや感冒の症状が出ている時には、うがい薬やお茶でのうがいをおすすめします。
のどの乾燥を防ぐ
のどの潤いを保つには、マスクの着用が有効です。また、室内が乾燥している場合は、加湿器などを使うのもよいでしょう。
市販薬を服用する

のどの痛みに有効な薬には、炎症を抑制する消炎酵素や鎮痛成分、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、痛みの原因となっている細菌を消毒・殺菌する成分が配合されています。薬の形としては、錠剤、顆粒剤のほか、トローチ、ドロップ、スプレーなどがあります。

※トローチやドロップ：トローチやドロップ状の薬は、口腔内で徐々に溶解して効果を発揮する薬なので、口の中でゆっくり溶かすようにして服用します。噛み砕いたり、飲み込んだりしないよう注意しましょう。